(会報テスト) もっと「国産」の暮らしをしてみませんか? 日本建築家協会(JIA)近畿支部のブログ

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(会報テスト) もっと「国産」の暮らしをしてみませんか?

顔写真

執筆者:吉村美枝
     (文字造形作家)
     (インテリアプランナー)


作品「虹」
作品「集」
写真4


数年前にパリを訪れたときのこと、バスティーユあたりの家具屋さん通りを歩いていると、やたら「日本」を意識したディスプレイが目につきました。「畳」の文字がデカデカと書かれたショウウィンドウを覗くと、まさに畳が一枚置かれて、その横に障子らしきものが立てかけられていました。可変性のある座式の暮らし方の良さは、外国でもちょっとした話題になって久しいですが、畳や障子を単なる「珍しいインテリアエレメント」としてとらえているだけなのかもしれません。自然と共存して暮らす日本の気候風土とはおよそ違う環境で生活するヨーロッパの人々にとって、畳や障子本来の良さが解からないのはしかたのないことなのでしょう。
また、街のあちこちで漢字をデザインモチーフにしたTシャツや、インテリアファブリックをみかけましたが、日頃、「文字」にちなんだ鉄やガラスの作品を制作している私にとっては首をかしげるもののように思います。単にロゴマークとしての面白さをねらっただけの「漢字」であり、その意味やそこから膨らむイメージなどを彼らの感性に求めるのは無理な話なのかもしれません。

歳を重ねて還暦も過ぎましたが、最近になってもっともっと「日本」を知って、存分に愉しみたいと思うようになり、昔、習っていたお茶のお稽古も、また始めました。大阪の中央区に、日本に古くから伝わる五節句の室礼をきちんと飾りつけて見せてくださる船場の商家があります。季節ごとの節句飾りの由来や歴史的な意味の説明をしていただくたびに、日本に生まれて長らく(?)住んでいながら、なんと知らないことの多いことか!と恥じ入るこの頃です。お正月に始まり、桃の節句、端午の節句、七夕、重陽の節句・・・と続くのですが、しっかりと意味を理解して、楽しみながら子や孫に伝えていくべきではないかとつくづく感じます。たとえば、薬玉(くすだま)のことを例にとっても、湿度の高い日本の夏を健康にのりきるために、薬草を包んだ袋をむすびつけたものがその由来で、五月五日から九月九日までの間、部屋に吊っておき、その後は廃棄するのだそうです。私たちがよく目にする華やかな丸いものは単に飾り物として今に残っていますが、薬玉にも「真・行・草」があり、その丸いものは「草」のものだそうです。医学の発達が進んでいない頃の、暮らしの知恵だったのですね。


このごろのように陽気がよくなってくると、部屋の中をすっきりとさせたくなります。写真(1)の壁に掛かっている作品(愚作です)は、墨で書いたものではありますが、イタリアモダンの白い家具になんの違和感もなく、空間の構成に役立っていると思います。「和」の作品というよりは現代アートのようでもあり、「和」と「洋」のコラボとしてはおもしろいのではないでしょうか。
心地よい空間は、知らず知らずに我々の五感にいい刺激を与えてくれます。絵を眺めながら(視)、好きなジャズを聴き(聴)、居心地の良いソファに身をゆだね(触)、コーヒーを飲む(味)・・・ただ、香り(嗅)に関しては、比較的ないがしろにされているのではないでしょうか。鼻という器官がほかの器官よりは鈍感(原始的?)で、臭いものでも慣れてしまうと割りと平気、という話を耳鼻科の先生から聞いたことがあります。「臭いものに蓋」式の消臭ではなく、もっと積極的に香りの世界を楽しんでみてはいかがでしょう。最近では、アロマテラピーなどがはやったり、ホテルのラグジュアリーなスィートルームのフロアにアメニティを高めるためと称して、かなり濃厚な香りが使われたりしています。それよりも、押し付けがましくない、日本古来の香りをおすすめします。茶道や華道にくらべて親しみの少ない香道ではありますが、室町時代からつづく組香という香遊びはなかなか優雅なものです。なかでも「源氏香」という組香は、その香の図のデザインが、現在でも着物や帯、掛け軸の切れ地、欄間などに用いられることも多く、目にされたこともあるとおもいます。(写真2・3)香炉に焚かれたお香を聞いて、同じ香りを結んだものが香の図になり、その種類は源氏五十四帖にちなんでいる、という雅びな遊びです。日常的には、線香型のお香を簡単な香立てにたてて(写真4)、お部屋香として愉しまれてはいかがでしょう。お香には、神経を休める効果もあるとか。実際に渋滞に巻き込まれた車のなかで、お香の効果が実験で実証された、という記事を目にしたことがあります。来客のある少し前にお香を焚くことで、住まう人の心使いが偲ばれることでしょう。今は香りの種類も数十種もあり、昔ながらの沈香のほか、フローラル系、フィトンチッドなどのような森林浴系もあり、そのときの気分次第で気軽に愉しめるものです。

食品などをはじめ、輸入に頼りきっている日本の生活のなかで、買ったものに「国産」と表記されているとほっと安心するようになってしまいましたね。この際、暮らし方も「国産」に戻してみませんか。きっと、なつかしい、やすらぎが得られるかもしれません。
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2008年05月21日 トラックバック(0) コメント(0)












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